うすい
陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也(暦便覧)
空から降るものが雪から雨に替わる頃、深く積もった雪も融け始めます。
春一番が吹き、九州南部ではうぐいすの鳴き声が聞こえ始めます。
昔から農耕の準備を始める目安とされてきました。
天文学的には太陽が黄経330度の点を通過するときをいいます。
三寒四温(さんかんしおん)
寒い日が三日ほど続くと、その後四日間ぐらいは暖かいことをいいます。
これを繰り返しながら、次第に暖かくなり、春へと向かいます。
もともと、中国北部や朝鮮半島の冬の気候を表す言葉で、後に日本に伝わったそうです。
土脉潤起 (つちのしょううるおいおこる)
初候 |2月19日~2月23日ごろ
季節は初春。
雨が降って土が湿り気を含む 。
冷たい雪が、暖かい春の雨にかわるようになる頃。
大地に潤いが与えられ始める季節です。
寒さも緩んできて、冬眠していた動物たちも目覚めます。
中国の宣明暦では「獺祭魚(かわうそ うおを まつる)」と呼ばれ、「獺(カワウソ)が捕らえた魚を並べて食べる」といった意味です。
霞始靆(かすみはじめてたなびく)
次候 |2月24日~2月29日ごろ
季節は初春。
霞がたなびき始める 。
霧やもやによって、遠くの山や景色がぼんやりと現れては消え、山野の風景がとても情緒的なころです。春に出る霧を霞(かすみ)と言い、夜の霞を朧(おぼろ)と呼んでいます。
中国の宣明暦では「鴻雁来(こうがん きたる)」と呼ばれ、「雁が北へ渡って行く」といった意味です。
草木萠動(そうもくめばえいずる)
末候 | 3月1日~3月5日ごろ
季節は初春。
草木が芽吹き始める。
春の日差しで、草木が芽吹き、新しい命が生まれる頃です。
足元や庭木の先に目を向ければ、ほんのりとした薄緑色の草木を目にすることができます。
この頃に降る雨は、「木の芽起こし」「催花雨(さいかう)」と呼ばれます。
※「催花雨」とは、春、早く咲けと花をせきたてるように降る雨ことをいいます。
中国の宣明暦も「草木萠動」と呼ばれています。