りっしゅう
初めて秋の気立つがゆへなれば也(暦便覧)
この日から立冬の前日までが秋。
一年で一番暑い頃であるが、一番暑いと言うことはあとは涼しくなるばかり。
暑中見舞いはこの前日まで、この日以降は残暑見舞い。
立秋(りっしゅう)は、二十四節気の第13目。
天文学的には太陽黄経が135度のときで8月7日ごろ。
この日から旧暦の上では秋に入りますが、まだまだ暑さも厳しく、立春を起点として上り坂にあった温度が、この立秋の頃、高温のピークにたするようです。
夏の太平洋高気圧が弱まると、低気圧が日本に近づき通過していくようになり、このときに見られるのが、流れるような秋の雲。 いわし雲、さば雲、うろこ雲などの名前がついており、いわし雲が早く出た年は、イワシが豊漁になるともいわれています。
雲の色や形、風のそよぎ、何とはなしに秋の気配が感じられるようになります。
ひぐらしが鳴きはじめ、所により深い霧が発生する。
「秋立つ」「秋来る」などとともに、秋の代表的な季語になっています。
涼風至(りょうふういたる)
初候 |8月7日~8月11日ごろ
季節は初秋。
涼風至とは「涼しい風が立ち始める」といった意味です。
立秋の次候は「寒蝉鳴」と言い、末候は「蒙霧升降」といいます。
なお、涼風至は「略本暦」における呼び名で、元となった中国の宣明暦でも「涼風至」と呼ばれています。
寒蝉鳴(ひぐらしなく)
次候 | 8月12日~8月17日ごろ
季節は初秋。
寒蝉鳴とは「蜩が鳴き始める」といった意味です。
元となった中国の宣明暦では、「略本暦」とは異なっており「白露降」と呼ばれています。意味は「朝露が降り始める」頃です。
寒蝉は「秋つげぜみ」とも読まれることがあり「ひぐらし」のことです。日本ではその鳴き声からカナカナ、カナカナ蝉などとも呼ばれます。秋の季語にもなっています。
蒙霧升降(ふかききりまとう)
末候 | 8月18日~8月22日ごろ
季節は初秋。
蒙霧升降とは「深い霧が立ち込める」といった意味。
元となった中国の宣明暦では「寒蝉鳴」と呼ばれ、「蜩が鳴き始める」などといった意味です。日本と中国では順番が違う様です。
深い霧が、まとわりつくようにたちこめる季節。「蒙霧(もうむ)」は、もうもうとたちこめる霧のこと。
「升降」は「昇降」と同じです。