せいめい

清明


4月5日ごろ

万物発して清浄明潔(しょうじょうめいけつ)なれば、此芽は何の草としれる也(暦便覧)

清浄明潔の略。
晴れ渡った空には当に清浄明潔という語ふさわしい。
地上に目を移せば、百花が咲き競う季節である。

 

天文学的には、太陽黄経が15度になったときをいいます。

 

 

玄鳥至(つばめきたる)

初候 4月5日~4月9日ごろ

季節は晩春

 

燕が南からやって来る 。

 

つばめは本格的な春の季節がやってきたことを知らせてくれます。冬の間、暖かい南の暖かい島々で過ごしたつばめは、春になると日本へと帰ってくるのです。大多数の鳥が植物の種子や実、地上や樹上にいる小動物を餌にしているため、枝や茎に止まったり、地上を歩いたりして餌を獲ります。しかし、つばめは飛びながら空中にいる昆虫を食べているのでずっと飛び続けます。空中には想像以上に昆虫が飛び交っているのです。秋になるとこの虫が少なくなるので南方へと飛び立って行くのです。

中国の宣明暦では「桐始華」と呼ばれ、「桐の花が咲き始める」といった意味です。

鴻雁北(こうがんかえる)

次候 4月10日~4月14日ごろ

季節は晩春

 

雁が北へ渡って行く

 

冬の間を日本で過ごした雁がんが、寒いシベリアへと帰っていく季節。雁の「カリカリ」という鳴き声が響く時季。伝説によると、雁は途中の海上で休むための木片をくわえて渡ってくるのだと。そして、陸に着くと浜辺に木片を落としておき、またそれをくわえて帰るというのです。春、浜辺に残された木片は、死んで帰れなかった雁のものだとか。

中国の宣明暦では「田鼠化為鴽」と呼ばれ、「熊鼠が鶉(うずら)になる」といった意味です。

虹始見(にじはじめてあらわる)

末候  4月15日~4月19日ごろ

季節は晩春

 

雨の後に虹が出始める。

 

春になると空気中に水分が多く含まれるようになるそうです。その水分によって、美しい虹が見え始めます。虹始見は、小雪の初候「虹蔵不見」に対置されています。「虹蔵不見」は、晩秋、日の力が弱まって虹が見えなくなる頃をいい、「虹始見」は、春になって、日の力が強まり虹が見えるようになった頃をいいます。
中国の宣明暦でも「虹始見」と呼ばれています。