だいかん
冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也(暦便覧)
一年で一番寒さの厳しい頃 。
逆の味方をすれば、これからは暖かくなると言うことである。
春はもう目前である。
太陽の黄経が 300°に達した日 (太陽暦の1月 20日か 21日) から立春 (2月4日か5日) の前日までの約 15日間である。「寒さの内」といいます。
耐寒のための様々な行事が行われます。また寒気を利用した食物(凍り豆腐、寒天、酒、味噌など)を仕込む時期でもあります。
款冬華(ふきのはなさく)
初候 |1月20日~1月24日ごろ
季節は晩冬。
蕗の薹(ふきのとう)が蕾を出す 。
まだまだ雪が積もっている頃。寒さも厳しく襲ってきます。そんな中、凍てついた地面に款ふきの花が咲く時季です。款を始めとした草花が、着実に春に向かっていることを知らせてくれます。
七草は、せり、なずな、ごぎょう(おぎょう=母子草)、はこべら(はこべ)、ほとけのざ(こおにたらびこ)、すずな(かぶ)、すずしろ(だいこん)を言います。
中国の宣明暦では「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」と呼ばれ、「鶏が卵を産み始める」などといった意味である。
水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
次候 |1月25日~1月29日ごろ
季節は晩冬。
沢に氷が厚く張りつめる。
冬至が過ぎて、少しずつ日が長くなってくる頃。しかしこの時期に、その年の最低気温が観測されることも多いようです。厳しい寒さの中、沢の水が氷となって、厚く張りつめる季節です。また、「春隣」という季語が使われ、春がすぐそこまで来ているとされます。
中国の宣明暦では「鷙鳥厲疾(しちょうれいしつ)」と呼ばれ、「鷲・鷹などが空高く速く飛び始める」などといった意味である。
鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)
末候 | 1月30日~2月3日ごろ
季節は晩冬。
鶏が卵を産み始める 。
自然な状態での鶏は、冬は卵を産まない日も多い。その鶏が、春の気配を感じて卵を産み始める頃です。
鶏の産卵率は、日照時間が長くなるほど上がっていきます。また、日本の文献で初めて鶏が登場したのは、「天の岩屋戸神話」とされています。
鶏は、天武天皇の時代に食用を禁止され、時を告げる鳥として神聖視されていました。
中国の宣明暦では「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」と呼ばれ、「沢に氷が厚く張りつめる」などといった意味である。