げし
陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也(暦便覧)
一年中で一番昼が長い時期であるが、日本の大部分は梅雨の時期であり、あまり実感されない。
花しょうぶや紫陽花などの雨の似合う花が咲く季節である。
旧暦の五月、午の月の中気で、新暦の6月21日ごろです。 二十四節気の第10番目にあたります。
天文学的には、太陽黄経が90度の点を通過するときを云います。
太陽が赤道から最も北に離れ、北半球では南中の高度が最も高くなり、昼が最も長くなります。
夏至は夏季の真中に当たり、梅雨のさなかでもあります。
なお、夏至線は北回帰線ともいい、北緯23度27分を走る線で、北上してきた太陽は夏至の日にこの線上を通過し、以後再び南下していきます。
西洋占星術では、夏至を巨蟹宮(かに座)の始まりとしているそうです。
乃東枯 (だいとうかるる)
初候 | 6月21日~6月25日ごろ
季節は仲夏。
乃東枯は、草木が繁茂する中で、夏枯草のみが枯れていく時期。
乃東とは漢方薬に用いられる夏枯草の古名で、その正体はウツボグサ(靫草)です。紫色のきれいな花で、田んぼの畦や草地でよく見掛ける草です。この草は、冬至の頃に芽を出して夏至の頃に、花穂が黒色化して枯れたように見えます。
草木が生命活動を謳歌し、繁茂する時季に、この草だけが枯れたように見えることから乃東枯と呼ばれるようになりました。
なお、乃東枯は「略本暦」における呼び名で、元となった中国の宣明暦では「鹿角解(しかつのをおつ)」と呼ばれ、「鹿が角を落とす」といった意味です。
菖蒲華(あやめはなさく)
次候 | 6月26日~7月1日ごろ
季節は仲夏。
菖蒲の花が咲き始める時期です。
アヤメ、カキツバタ、ハナショウブは見分けがつきにくい花だそうです。(花音痴の私には掲載したはんが間違いなくアヤメかどうか不安です)Wikipediaによると、アヤメの多くは山野の草地に自生し、ノハナショウブやカキツバタは湿地に生えるそうです。そして葉の長さは40~60cm程度で直立しています。花は径8cmほどの紺色の花を1-3個付、外花被片(前面に垂れ下がった花びら)には網目模様があるのが特徴だそうです。
慣用句に「いずれがアヤメかカキツバタ」というがありますが、これはどれも素晴らしく優劣は付け難いという意味ですが、見分けがつきがたいという意味にも用いらているそうです。
この菖蒲華は「略本暦」における呼び名で、元となった中国の宣明暦では「蜩始鳴(せみはじめてなく)」と呼ばれ、「蝉が鳴き始める」などといった意味です。
半夏生(はんげしょうず)
末候 | 7月2日~7月6日ごろ
季節は仲夏。
半夏生は「烏柄杓(からすびしゃく) が生えるころ」といった意味。
この頃に降る雨は「半夏雨」(はんげあめ)と呼ばれ、梅雨の後半にあたり大雨になることが多く、今年も九州に大雨がもたらされました。農家にとっては大事な節目の日で、この日までに田植えを終わらせます。そしてこの日から5日間を休みとするところもあります。そういうところでは、ハンゲという妖怪が徘徊するという言い伝えがあり、この時期に農作業をしてはいけないという戒めになっています。その日までに田植えを済まさないとまずいという物忌みと、勤勉な農民に対する骨休めを、妖怪の徘徊に喩えて奨励したものと解せます。この頃から梅雨が明けます。
半夏生は中国の宣明暦も同様に「半夏生」と呼ばれてます。