けいちつ
陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也(暦便覧)
啓蟄は冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃という意味。
実際に虫が活動を始めるのはもう少し先。
柳の若芽が芽吹き蕗のとうの花が咲く頃である。
天文学的には太陽が黄経345度の点を通過するときをいいます。
まだまだ寒い時節ではありますが、一雨ごとに気温が上がり、日差しも徐々に暖かくなってきます。
春雷がひときわ大きくなりやすい時季でもあります。
蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
初候 3月6日~3月10日ごろ
季節は仲春。
冬蘢りの虫が出て来る 。
土の中で冬眠していた虫たちが、太陽の温もりを感じて外に顔を出し始めます。
「虫」という字が使われていますが、虫に限らず、動物たちも冬眠から目覚めるときです。
中国の宣明暦では「桃始華(ももはじめてはなさく)」と呼ばれ、「桃の花が咲き始める」といった意味です。
桃始笑(ももはじめてさく)
次候 3月11日~3月15日ごろ
桃の花が咲き始める 。
昔、「咲く」ことを「笑う」と表現していました。花が咲く様子が微笑む表情に見えるようなことからこの字が使われたのでしょう。桃の花はゆっくりと花開くことから穏やかな春を表しています。
中国の宣明暦では「倉庚鳴(そうこうなく)」と呼ばれ、「山里で鶯が鳴き始める」といった意味です。
菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
末候 | 3月16日~3月20日ごろ
青虫が羽化して紋白蝶になる 。
菜虫が蝶となる季節。厳しい冬を越したさなぎが美しく羽化し、飛び立っていく季節です。蝶が草花の緑や空の青さに映え、清々しい季節です。
中国の宣明暦では「鷹化為鳩(たかけしてはととなる)」と呼ばれ、「鷹が郭公に姿を変える」といった意味です。
>>春分