
易の64卦46番は上昇する地風升(ちふうしょう)。
上爻は「升(のぼ)るに冥(くら)し。不息(ふそく)の貞(てい)に利あり」
ともかく升ることだけしか考えず、あせって頂上まで行ったとしても、陽は暮れて、あたりは真っ暗という状態です。
欲にもきりがないのです。
たどりついた地位で植えたように欲に走っても、消耗ばかり激しく、思うように富むことはできないはずです。
欲にはかぎりなく、欲心は人間をものけに変えていくのです。
自分が物にとらわれ人間の心を失っていることに気づいたら、即座に心を入れ替え、人の為につくす人間になりましょう。
神に感謝していたころの自分に返り、自分にできることを人に与える心持になれば、それをもちつづけることができれば、はじめて本当に利益が得られるでしょう。
それは人に慕われ、好意を受けるという利益なのです。