
易の64卦38番は嫁と姑関係の火沢睽(かたくけい)。
「睽(そむ)いて孤(ひとり)なり。豕(いのこ)の塗(ひじり)を負えるを見る。
鬼(き)を載(の)すること一車。先にはこれが孤(ゆみ)を張(は)り、後には
これが孤(ゆみ)を説(たず)す。あだするに匪(あら)ず婚媾(こんこう)せんとす。
往(ゆ)いて雨に遇えば吉なり」
幻想的で不気味なイメージです。
この爻は上卦の離の一番上で睽卦の極点です。
賢いはずの上位の人間が考えすぎで頭がおかしくなり、
疑い深くなってしまったのです。
だから周りも引いてしまうので孤独になり、ノイローゼ状態に陥ってしまったのです。
忠実な部下が、その偏屈になってしまった上役(社長)のためになんとか力になろうとしているのに、その部下を近づけまいと中傷する人間の言葉を信じて、腹黒い男だと思い込み汚いものでもみるように敵視する。
まったく他意がない部下を、あることないことの妄想にとらわれて近寄らせません。
最後に部下が自分のためを思いたすけようとしていることがわかり、自分から進んでその部下と和合すれば吉。
医者にでもかかって落ち着いてくれれば、ものがはっきり見えるようになる。
敵だと思いこんでいた相手が実は見方で、妄想がじゃましていたのだとわかるはずなのです。
面白いね。