
易の64卦17番は従うの沢雷随(たくらいずい)。
上爻は「これを拘(とら)え係(くく)る。乃(すなわ)従ってこれを維(つな)ぐ、王用(おうもっ)て西山(せいざん)に享(きょう)す」
この爻は、従うの極地です。例えば相手が神であるかのように従い、身も心も捧げつくし、それこそ網で縛られてしまうように、相手にすべてをまかせている境地をさします。
投地拝礼などはそれを形に表しているものです。
誠心で神に祈ることができ、無心な心で天国行きのパスポートをもらうことができるでしょう。
ただ、まるごと従う相手を間違えば、大変なことになります。
新興宗教のマインドコントロールで身動きできなくなった人の末路は悲惨です。
オウム真理教の例にあります。
この卦に限らず、人間は相手を見定める心の目を養うことが大切。
それは同時に、自分自身を見極める訓練をたえずしていれば、しらないうちに身につくことです。