
易の64卦16番は猛反省の雷地予(らいちよ)。
上爻は「冥豫(めいよ)す。成(な)るも渝(かわ)ることあり。咎なし」
この卦は、遊びにふけって何も見えなくなっている状態。
君主でも、社長でも、ともかく自分の楽しみに溺れて、国も会社も家も傾いているのに、まだ遊蕩三昧(ゆうとうざんまい)なのです。
遅かれ早かれ終わりがきます。
ただ、上爻は「震(しん)」の性格が残っていますから、ハッと気づいて心を入れ替えれば救いようがある。
「豫(よ)」の卦は全体に明るく見えながら、進んでいくほど暗くなる。
楽しみつづけていれば、必ず終わりがくる。
人間は楽しみに弱くついハメをはずす性質があるので、この卦は、節度を忘れず楽しみのワナにはまらないように気をつけることを警告しているのです。