
易の32番は恒常性(こうじょうせい)の雷風恒(らいふうこう)。
五爻は「その徳を恒(つね)にす。貞(ただ)し。夫人は吉。夫子(ふうし)は凶なり」
婦人がこの爻を得た場合、ひたすら従順に夫に従う徳をもっているので「吉」という。
男性の場合、妻にかしずく夫のイメージで「凶」となる。
しかし、「女が弱く従順であるべきだ」という定説は現代では通用しないかも。
男女関係の場合だけでなく、仕事でも、責任がある地位なのに、人の意見を聞かないと行動に踏み切れない軟弱なところが出てくる。
大きな決断をするべきときなのに、ささいなことを気にする神経で凶となる。
恒(こう)の道は、いままでどおりを維持する場合だから、こまかい気遣いとともに、現状を続ける強さも同時にもつことが大切。
この爻は、強い女性にも、弱い男性にも、自分の相変わらずと思える人生を続けてゆくうえで大切な教訓を含んでいます。