
易の64卦59番は離散を表す風水渙(ふうすいかん)。
四爻は「其の羣(むれ)を渙(かん)す。元吉なり。渙(かん)して丘あり。夷(い)の思うところにあらず」。
易の爻辞は四千年前のの中国で書かれた言葉です。
でも、一つひとつの言葉は実に現実的で、不思議なことに今の日本の状態にもあてはまります。
渙(かん)は離散のとき、その困難な状態をどう救うかというのがテーマです。
平凡なただの庶民でも力をつくしているとき、四爻は上に立って、災いのもとを解明し指導し、
人々を助けなければならない立場。
私的な子分をもたず、小さな党派にとらわれず滅私大同して、災いの原因を探求しそれを解決する。
その場合、自分の立場を守ることだけに汲々(きゅうきゅう)としては何もできない。
一般人が考えもつかないような思い切った方法で困難を切り抜けられれば、大善で吉。
自分の立場ばかりにこだわるのは、正論に見えて単なる権力欲であることを『易経』は繰り返し教えてくれている。