
易の64卦11番は泰平を意味する地天泰(ちてんたい)。
三爻は「平(たいら)にしてかたむかずということなく、往(ゆ)きて復(かえ)らずということなし。難貞(かんてい)なれば咎(とが)なし。恤(うれ)うるなかれ、それ孚(まこと)あり。食(しょく)に于(おい)て福(さいわい)あり」。
すべては循環している。
盛りのあとは必ず衰える。
月が満ちたら欠けるのと同じ。
三爻は、泰(たい)の卦でも陰と陽の接点だから、安泰から次に移る節目となる。
自信もつき地位も安定していると思って自己満足していると足元が怪しくなる。
おごらず、騒がず、謙虚に身を持していれば、その危険も避けられる。
『易経』は繰り返し「貞(てい)なれば」と言う言葉が出てくる。
人間はすぐにうぬぼれる生き物。
うぬぼれると自分の本当の姿を見失う。
そのことを注意して教えてくれる。
どんなに大変な困難に出会っても、泰(たい)の時だから
本道をみうしなわなければ、食べることには困らない。
食禄で福ありということ(笑)