肝の功能は女子の月経にも現れる。
肝血が不足するか肝が蔵血しなければ、月経の量が減り、
ひいては閉経となるか、月経の量が増え、崩漏(不正出血)
になる。
※ここでいう閉経とは月経があってあたりまえの年齢での閉経を
意味している。急激なダイエットなどね。
血の量を調節する肝の功能は血液の貯蔵を前提にして、充分な血量を貯蔵してこそ効果的に調整できる。
ただし、肝内に貯蔵した血を外周に輸布する作業は、血液の運行における肝の疏泄功能の具現化である。
肝の血液調節功能は、蔵血功能と疏泄功能とが協調、平衡してこそ、完璧になる。
昇泄が多すぎるか蔵血功能が減退すれば各種の出血がもたらされ、疏泄が少なすぎて肝気が鬱結すれば鬱血がもたらされる。
また、蔵象学説では「肝は魂を蔵す」という。
「神に随(したが)いて往来する者、之を魂と謂(い)い」と魂とは神の変じたもの、神から派生したものである。
魂は神と同様に、血を主要な物質的基礎としているが、心は血を主るので神を蔵し、肝は血を蔵すので魂を蔵す。
肝の蔵血功能が正常であれば、魂には宿るところがある。
肝血が不足し、心血が欠損すれば、魂は宿るところを失い、
驚駭(きょうがい)多夢、臥寐(かび:横たわる)不安、夢遊、夢囈(むげい:うわごと)、幻覚などが現れる。
「黄帝内経の霊枢」の本神篇には、「神気に従って往来する精神活動、これを魂という」とある。
魂の一つの定義がここにあった(笑)