
イーチンタロットの64卦23番は崩壊の山地剥(さんちはく)。
初爻は「牀(はく)を剥(はく)するに足(あし)に以(およ)ぶ、貞(てい)を蔑(ないがし)ろにす」。
歴史の物語で説明すると、『日本書記』の有間皇子(ありまみこ)の悲劇がぴったり。
有間皇子は身近な蘇我の赤兄にそそのかされ、うかうか謀反の企てに乗ろうとする。
その相談に赤兄の家に行き、高楼の机に寄りかかって座ろうとしたとき、机の脚がひとりでに折れてしまった。
皇子は「剥(はく)」の初爻の言葉を思い出し、悪い予感で企てをやめようと決心し、赤兄にそのことを告げ、自分の屋敷に帰りました。
でも、赤兄は皇子を裏切って天皇の元に密告に走り、皇子は家を包囲され捕らわれ処刑されました。
現代なら、上司の批判をちょっとしただけなのに、
ニコニコあいづきをうっていた部下に密告され、
左遷されるようなもの。
『易経』は教養の一つとして、ちゃんと勉強していたら有間皇子は机の脚が折れた段階で自分を運命を悟る事ができただろうというお話でした(笑)